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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第28章 女神の降りる丘
「えらい荒れてやがるなここは……」
雑草が肩の高さまで伸び、蔓草が絡まった木々は成長が止まっている。その様子にレオはため息を吐きながら前を阻む草を剣で避けていた。
最初こそ切り払ってはいたが、キリがない。
いっそのこと山神のあの大技で大半を伐採してしまえば楽なのだが、土地が“伝承の地”という特別な場所だけにさすがのレオも、勝手な真似はできずにいた。
「しかし、ここは“伝承の地”のどの辺りになるんだろうな……」
「わからない……それにこんな所、見たこともない……」
ルイスの言葉にアルは返すとレオが通った後ろを歩きながら、周りの景色を見渡した。
本当にここは自分達の住んでいた、あの“名もなき村”なのだろうか。
村を実際に見てみないとまったくわからない。
アルが難しく眉間に皺を寄せているとレオが何かを見つけた。
「おっと!やっぱあそこで間違いはなさそうだな?」
この地へ辿り着いた時、そこから見えた丘のような場所。
周りは生い茂る草に囲まれていた様子に対し、その丘の先だけは遠目に見ても、まるで手入れしたての原っぱのようだった。