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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第28章 女神の降りる丘
“あなたは負けたのではありません……”
「……っ…」
女神の言葉にアルは目を見開いた。
“あなたが神の従者の器として蘇る……あれはその為に必要なこと”
「うつわ……」
“そう……神々の力を授けそれに耐えうることができるよう……従者の器として蘇る──あの日……あなたは神の化身をその身に取り込み闇の力を弾き返した……”
「……それは…」
“あなたは神の力を使うことができたのです……”
「………」
“だから蘇ることが叶った……”
「……あれはあたしの力じゃ……っ…」
“あなたの力です……”
「…ちがっ……」
“あなたが強く…とても強く心に願った……”
「………」
アルは女神の言葉に戸惑い視線を泳がせた。
願った……?
何を?
あの時はほんとに必死で……
血まみれになったレオに震えが沸いて
泣いてるマークをみてとても辛くて……
悲しくて……
そして……
「……──」
確かに願った……
あの日……
とても強く……
“お願い──
嫌なのもう
もう誰かが傷つくのも
苦しむのももう──っ”
とても強くそう心に願った……