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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第28章 女神の降りる丘
「──……」
思い出した表情を見せるアルを女神は見つめ、そしてまたゆっくり口を開く。
“従者が覚醒して蘇ること……これができなければ神の力を授けることはできません……”
「………」
“我々はずっとこの時を待っていました……”
「…ずっ、と……」
“そう……ずっと……あなたの心の成長を……”
「心の成…長……」
アルは女神の言葉を繰返し、静かに呟く。
“あなたは神の力を授かるにふさわしい……清らかな魂の持ち主……”
「きよらか……」
女神は微笑んだ。
「そ、そんな…こと…は……っ」
アルは女神のその言葉に微かに頬を染めていく。
そして照れてうつ向くアルを見つめた。
“穢れなき魂であり、そして神々の力を宿すには……その器は永遠なる乙女でなくてはなりません……”
「永遠なる……乙、女?」
意味が掴めずポカンとする。
そんなアルの背後では、女神の言葉を耳にした勇者の候補三人が、目を見開いて固まっていた……。