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MY GIRL
第14章 サプライズ
「…!」

「…っ!?」

突然大樹が唇の離し、あたしの体から降りてソファーに置いてあったカバンをあさり始める。

「…っん、大樹…?」

口内に溜まった唾液を飲み込み、倦怠感が纏う体をゆっくり起こしてると。

チャリ、と小さく音が聞こえた気がした。

「…美咲」

「ん…?」

あたしに背を向けたままの大樹を見上げる。

「なーに…?」

「…これが何だか、分かる?」

あたしの方を振り向いて、握られていた左手を開いた…その中には、銀色の鍵。

「…、鍵…でしょ?」

「どこの鍵だと思う?」

「…?」

そういえば大樹、大学決まってから自動車学校行ってたよね。

もしかして…

「車買ったの!?」

「…、違う」

…あれ?

違うのか…

にしてもおしゃれな鍵だなぁ…まるでどこかの、

「…っ」

どこかの…

「…分かった?言ってみ?」

…まさか、だけど。

数日前メールで送られてきた、マンションと部屋の中の写メ。

と、"7004"のプレートの写メ。

…まさか、これ…

「…、部屋の…」

「…ご名答。これ美咲のな」

チャリ、と音をたててあたしの手に置かれた鍵。

「えっ…」

どういう事!?

鍵を握り締めて、見上げると。

「俺が借りてるマンションの部屋の鍵。カードもあるんだけど、美咲なくしそうだからな。漸く落ち着いて、部屋も片付いたから…冬休みとか、遊びにおいで」

「…っ」

「勿論、美咲が上京してくるんなら、それが家の鍵だからな。…マジで無くすなよ、スペア作んのすげー高いらしいから」

「…っ!」

大樹が帰って来てくれる度、泣いちゃってる気がするな…

大粒の涙を流して泣くあたしに近付いて抱き締めてくれる大樹。

「っ、ふぇっ…絶対東京行く!大樹と暮らす…っ」

「…ん。待ってる」

「もっと頑張る…っ」

「ん…無理は絶対すんなよ」

「ありがと…っ」

「…ん、喜んで貰えてよかった。これがサプライズの3つ目。ショボくて悪ぃな」

ぶんぶんと強く首を振る。


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