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MY GIRL
第16章 東京
蒼汰SIDE
時は経ち…高3の冬。
進学先も決まり、俺と美咲は2人でしょっちゅう遊びに行っていた。
…美咲の事、まだ完全に吹っ切れた訳ではない。
寧ろ、大樹さんと付き合って更に綺麗になった美咲に惚れ直した位だ。
あの時もっと違う対応をしていれば。
もっと俺のセックスが巧ければ。
愛撫が巧ければ。
美咲を抱いて、口止めしてセフレになり、その内寝取る事だって出来たかもしれない。
…でも、俺は。
体もそうだけど、一番ほしいのは美咲の"心"で。
美咲の心が俺に揺らぐ事はないって分かりきってるのに、数%の確率に縋り、結果失敗して、自分の心に深く傷を負ってしまった。
あの時程涙を流した時はなかった。
手に残る、美咲の体の温もりや感触が離れなくて、余計涙が溢れたな。
それでも結局、壊れかけだった俺の心を癒してくれたのは、変わらず俺に接してくれた美咲だったけど。
どんな事があっても俺の心は美咲によって左右され。
どんな時でも俺の優先はまず美咲だった。
そして…どんな事があっても、どんな時でも、美咲の傍にいたかった。
ここまで美咲から離れられない理由は一体何なんだろうな?
ここまで来たら、この先俺は一生彼女も出来ずに、独身で終わって行きそうな気さえする。
…はっ。
情けねぇ…
自嘲気味に微笑むと。
「蒼汰?何笑ってんのー?」
隣に座る美咲が俺の顔を覗き込んできた。
「…いや、何でもない」
今日は大樹さんに会いに行くっていう美咲に同行し、東京行きの新幹線に乗っている途中。
こいつ1人で行かせたら絶対に何か起こるし、俺が大樹さんに殺される…
数ヶ月前に家族旅行で東京に行った時に大樹さんに会いに行ったらしいが、帰ってきた美咲の体中に付けられたキスマークを見て驚いたよな。
隠れてなかったからな、腕とか足にまで付いてたし。
あの時夏だったから美咲はキスマークを気にせず肌を露出していたんだが、美雪さんとか咲人さん、美咲の体見て何も思わなかったんだろうか…
いくら昔からオープンな家族つってもなぁ…
…まぁ俺が気にする事ではないんだが。
新幹線の指定席で隣に座り、暫く窓の外を眺めてた美咲がため息を吐きながら振り向いた。