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MY GIRL
第4章 関係
「俺待つの嫌いだっつったよなぁ?」

「うぅ…」

至近距離で見下ろされ、身体をすくめる。

「俺を忘れて随分と楽しんでたようで…お仕置きだなこれは」

ほ、本気で怒ってる…怖いよぉ。

「ほんとにごめんなさい…っ、楽しくて時間忘れちゃってたの…。お願い、怒らないで…」

「…、」

「大樹ぃ、ごめんねぇ…」

怒るのも無理ないよね、あたしだって1時間半も待たされたら怒っちゃうもん…

両手を合わせて泣きそうになりながら見上げると、舌打ちされて勢いよく腕を掴まれ、靴箱に押し付けられる。

「っひゃ!?何…っ」

「…可愛いんだよ」

「…へ、んん」

噛み付くように重ねられた唇。

「…っ!んんー!」

唇をこじ開けて入って来ようとする舌を、大樹の胸を叩いて抵抗する。

到底力が敵うわけがないから一瞬舌が入ってきたけど、すぐに抜かれて唇を離された。

「…はぁっ」

「…チッ。帰るぞ」

あっさり背を向けて外に出て行く大樹を、ドキドキしながら頬を膨らませて追いかける。

「…もう、カップルじゃないのに。…ひゃあっ!」

「何ー?何つった?もっと激しくて深くて濃厚なのがよかったって?」

「きゃああ!やっ、違う違うっ離してぇえっ」

突然あたしの背後に回った大樹に強く抱き締められ、じたばたともがく。

「はいはい。…さっきたいやき奢るとか言ってたな?忘れたなんて言わせねぇぞ」

「っ!」

忘れてた…

なんて言ったら何されちゃうか。

「は…、はいはい覚えてますよ!行こっ」

先に歩き出すと、追いついた大樹になぜか手を繋がれて、あたし達は2人並んで校門をくぐった。

機嫌、直ったみたい。

よかった…

「…は?誰だよあの男…」

この時あたしは、この光景を蒼汰に見られてたなんて思いもしなかった。


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