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MY GIRL
第4章 関係
そしてグッと、何かに耐えるような顔つきになった。

…実は。

大樹に対する疑問がいくつかあった。

まず…ずっと気にかかってた、昨日の出来事。

大樹に抱き締められて眠りについたあたし。

途中…夜中に、魘される声と身体の圧迫感に気付いて目が醒めた。

「はぁ、はぁ…っ行かないで…」

荒い息、震える声。

あたしを強く抱き締める身体は、汗ばんでいた。

「大樹…?」

「ごめんなさい…っん、…っはぁ、もっと、頑張るから…っ」

「大樹…!?」

「置いてかないで…1人は嫌だ…っ」

「大樹…大樹!!」

「お…とうさん」

「…!」

痛くて、息が苦しくなるほど強い腕の力。

「お父さん…」

そう呟いて、腕の力が一瞬、ふっと緩んだ。

その隙にそっと大樹の腕から逃れて乱れたパジャマを直し、大樹を見ると。

…泣いた、の?

閉じた眼の縁から流れる透明な液体。

額から首から流れる汗。

ねぇ、どうしちゃったの…

慌てて下に降りてお風呂場の電気をつけ、タオルと、冷たい水が入った桶を用意し部屋に戻った。

「はぁ…はぁ」

悪い夢でも、見たのかもしれない。

起こさないように部屋の電気を少しだけ明るくし、タオルを絞って大樹の額にそっと当てた。

首から上半身にかけて、汗ばんだ身体を拭いていく。

すると、険しかった表情が少し緩んで。

荒かった息もゆっくりになってきた。

…夢?

ううん…夢じゃ、ない気がする。

じゃあ何なのかって聞かれてもうまく言えないけど…

この人、何か抱えてるのかもしれない。

「お父さん」

大樹が呟いた言葉が引っかかる。

何となく、手が大樹の頭に伸びた。

汗で少し湿った柔らかい髪をそっと撫でる。

「…大樹。大丈夫だよ」

「…」

返事がないのは当たり前。

だけど、大樹の表情が少し柔らかくなった気がした。

そして再び大樹の隣に身体を滑り込ませると。

…普段、抱き枕使って寝てるのかな?

無意識なのか何なのか、あたしの身体を優しく抱き締めて肩に顔を埋め、安心したように深い息を吐き、寝息をたて始めた。

あたしはドキドキが止まらないのと複雑な感情が心を支配してなかなか眠れなくて…

それで朝、寝坊しちゃったんだよね。


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