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第5章 告白

そう言われちゃっても仕方ないくらい、今までの人にはすぐにお別れを言っちゃってたけど…

｢ううん。その人とは、まだお付き合いしてない。だけどちゃんと向き合いたいの。まだ知り合って間もないんだけど、ずっと一緒にいたいって思える人なの｣

目を見張る蒼汰。

｢珍しいな、美咲をそういう風に思わせる男がいるなんて｣

｢う、うん…？｣

｢今まで義務的だったじゃん。付き合うのも別れるのも｣

｢うん…。そういうの、もうやめようと思って｣

｢へぇ｣

｢誰かのことをちゃんと好きになって、あたしのことも好きになってもらって、お付き合いしたい｣

｢…そう。それさ、俺じゃだめだったわけ？｣

｢え？｣

｢俺と付き合うって選択肢は、今でも美咲の中にないの？｣

どういうこと…？

だって、蒼汰は…

反射で首を振ったあたしに、蒼汰は小さくため息をついて。

｢まだ俺は”幼なじみ”か…｣

｢…え？なんて？｣

｢…いや、何でも｣

小さく呟かれた言葉はよく聞き取れなかった。

｢まあそんなことより。付き合ってねえならいいじゃん、俺とセックスしても｣

｢…だめっ！絶対だめっ｣

｢何で｣

｢何でって…！…エッチは、その人とだけしたいもん…｣

恋人って関係になる前に抱かれちゃったから、尚更だめ…

｢俺は、お前だけを抱きたいけどな｣

じ、と見つめながら言われた言葉に、きゅんときたけど。

｢あたしも、分からないの。初めて好きになった人だからちゃんとしたくて…｣

｢…初めてなの？人を好きになるの｣

｢うん…｣

｢…ふーん…。
じゃあ抱きながら教えてやるよ。男を手玉に取るあれこれ｣

｢い、いらないっ｣

｢何でだよ。もったいねーぞ？俺を手放すのは｣

｢そ、蒼汰もちゃんと好きな人と付き合って！｣

｢俺の好きな人、他に好きな人いるもん｣

｢へ｣

そ、そうなんだ…

｢まあでもそいつのこといずれ振り向かせる自信あるから、今は泳がせとくんだよ｣

｢泳がせるって？｣

｢今はどっかの知らん他の男のこと見てるみたいだけど、絶対俺のことを好きにさせんの｣

｢へぇ…｣

す、すごいな。

何年も一緒にいて、こんなに独占欲むき出しにしてる蒼汰を見るの…エッチの時以外初めてかもしれない。