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MY GIRL
第6章 涼太
「大樹も大概だろ、いつでもどこでも好き好き言ってんだろーが」

「俺はいいんだよ。彼氏だから」

「だったら俺もいいじゃん、可愛いんだもん美咲ぃ」

「う…」

「絶対だめ。いいからお前黙ってろ」

「つい溢れるんだよねいろいろと。ね、本気でシェアの件考えてよ」

「誰がするかアホ。そんなことしたら美咲が壊れる」

「…あ?大樹がじゃなくて?」

「嫉妬で壊れた俺に抱かれすぎた美咲が壊れる」

「ひぃ」

「…怖。大樹が壊れるのは前提なんだ?」

勉強中にとんでもない会話を繰り広げてる2人だけど…

実はこれ、日常茶飯事で…

この前はあたしの腕を両側から引っ張りながら言い合ってたし、その前は両方に抱き締められてどっちの腕の中が心地いいか聞かれたし…

あ、愛されてるってのは分かるし、うれしいんだけど…

表現の仕方が普通じゃない!

恥ずかしくて死にそう…

こ、高校3年生ってこんな感じなの…!?

同じ学年の人とは違う…

喋ってやって、って言われて向き合った男の人がいたけど、照れてなかなか話してくれなかったり。

美術の授業で隣の席の人の似顔絵を描く時、その時隣の席だった男の子から

「吉岡さんを描くなんておこがましくて俺バチ当たる」

「可愛すぎるし神々しくて見れない目が潰れる」

「無理いろいろ我慢出来ないからこっち見ないで」

…散々な言われ方をしたり。

その点、蒼汰はいろいろ慣れてるんだな、と思った。

あ、幼なじみだからかな?

…だけどそれと大樹達は違う、違いすぎる!

表現もだし、距離の縮め方とかボディータッチとかいろいろ…

「じゃあさ、どっちが気持ちいいか美咲に決めてもらお」

…へ。

涼太先輩の言葉に我に返り、顔を上げる。

「あ?何が」

「キス。どっちのベロチューが気持ちいいか」

「アホかお前!」

「ひゃああ!大樹っ」

立ち上がって涼太先輩の胸倉を掴む大樹を慌てて止める。

「これから仕込んでくって言ったじゃん?」

「…仕込み方おかしいだろ」

「おかしくねーよ、じゃあ大樹はどんな仕込み方したわけ?」

「…」

…あっ…

さんざんな”仕込み”をされちゃったことを思い出して思わず顔を赤くする。

「…俺の仕込みはいいんだよ」

「暴君かよ」

「別にいいよ暴君でも」


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