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遅すぎた恋
第1章 失恋を癒すのは…


「…ねぇ、どこ行くの?」



私の声かけに応えることもなく…
悠人は、私の腕を引っ張り歩いていく。




「悠人っ!」




名前を呼ぶと…その足はピタッと止まった。


「名前で呼ぶなよ…」


「さっきから田崎って呼んでも反応ないから!」



私に彼氏が出来るまで…私達は仲が良かった。

けど、悠人は気を使ってか私を名前ではなく、

『二宮』と呼び出した。



…あの時から、私も『悠人』と呼べなくなった。



「いいじゃない、もう遼太とは別れたんだから…」


そういうと、目の前のこの人は
眉をひそめ苦笑いを浮かべた。


そして、私に背を向けると

「そうだな…」


そう言ってまたユックリと歩き出した。



「で、どこ行くの?」


「お前と飲めるとこ。」




着いた先は、普通の居酒屋だった。


「ここ?なら近くに居酒屋あったのに。」


「まぁ、入れよ。」



二人で暖簾を潜ると…
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