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遅すぎた恋
第2章 初デート??
まだ昼間の砂浜は太陽が照り返し眩しいくらいだ。
それでも、風が吹くととても気持ちが良かった。
「海だー!」
柵を握って身を乗り出し、大きく伸びをする。
その後ろ姿を私はただ、眺めていた。
「桜さん、下降りよ!」
私に向ける顔はいつだって笑顔だ。
無邪気さが残る…まだ少年の顔。
靴を脱いで、波打ち際で一人はしゃぐ飛鳥君。
「桜さーん!」
両手を広げ、大きく手を振っている。
「気持ちいい?」
「うん!すごく。」
私も履いていたパンプスを脱ぐと
隣まで歩き、パシャと波を蹴った。
久しぶりの海は…気持ちが良かった。
「…本当、気持ちが良いね。」
「ねぇ、桜さん…?」
波を蹴っている私の隣から
飛鳥君の声が聞こえ、振り向いた。
その彼の表情からは笑顔はなく
真っ直ぐ…私を見ている。
その顔を見ると…胸の奥底がドクッと脈打った。