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遅すぎた恋
第3章 高校生の頃の恋愛って…


キッチンに並んで立ち、
飛鳥君が、皿を洗い
その皿を私が受け取り拭いていく。

ただ、黙々と…
カチャカチャと食器がぶつかる音が響く。





飛鳥君からお皿を受け取る時、
ふと指先が触れ合う。

小さくピクッと反応する私に…
彼は気付いているのだろうか。

目の前の彼は至って無反応だ。




最後のお皿を受け取り、
食器入れに立てかける。


その時…



「桜さん…」



柔らかな声が私の名前を呼ぶ。



不意に振り向いたその瞬間…

目の前には彼の整った顔が、そこにあった。




そして、私の唇に触れる…
柔らかな彼の唇の感触。



チュッと音を立てすぐに離れた唇は
上気した体温をまた冷やして行った。



固まったままの私に…
飛鳥君は優しく微笑む。




「桜さん…好きだよ。」




その言葉に…私はただ、ただ
目を見開くしかできなかった。
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