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遅すぎた恋
第3章 高校生の頃の恋愛って…
「…えっと…桜さん…
また会ってくれる?」
そっと私の手を包む飛鳥君の手は
とても温かい。
「…いいけど…キスはなしよ?」
包まれた手を凝視しながら、私がそう答えると
少し上から「…わかってます。」と
弱々しい声が聞こえる。
顔を少しあげると、高校生らしき顔付きで
耳まで真っ赤に染めた飛鳥君が目に入る。
「…なら…ハグは?」
………ん?ハグ?
聞きなれない言葉に返す言葉が見つけれない。
ハグって…抱きしめるってことよね?
「…ギューってするのは……ダメ?」
「…ギュー…?」
「そう。こうやって…ギュ〜っ…て」
飛鳥君が私の背中に手を回そうと体を近付ける。
〜〜〜〜〜〜!!
「ダメよっ!!
高校生の間で、簡単に女の子を抱きしめるものなの!?」
「…しないよ。そんなの…」
「ならダメっ!浮気になることはしないの。」
浮気になることなんて…一つもない。
そんな相手もいないのに。
その事実を言えないのは…
私が彼にはまってしまうのが怖いから。
目の前の彼は少ししょげていたけど
聞き分けよくその腕を解いてくれた。