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遅すぎた恋
第3章 高校生の頃の恋愛って…
…あっという間に時間は過ぎ
もう22時が回っていた。
時計に目をやると、飛鳥君も気付いたようで
「もう、帰る?」
そう、私の顔を覗き込む。
声には出さず、頷くと飛鳥君も腰をあげる。
「送っていくよ。」
「いいよ。大丈夫…」
「ダメだよ。なんかあったら困る……あっ。」
少しの間が空き、飛鳥君は何かに気付いたように
私の顔をまた見つめた。
「もしかして…これから…恋人の家…?」
架空のありもしない相手に、ヤキモチを妬いている彼。
苦しそうに…それでも隠すように…眉をひそめる。
「……ううん。今日は…真っ直ぐ帰るよ。」
その言葉に、彼の表情は
あからさまに明るくなる。
…まだ、恋のかけ引きさえ出来ない少年。
「送らせてよ。」
玄関先で差し伸ばされた手を…
私はそっと握った。