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遅すぎた恋
第3章 高校生の頃の恋愛って…
「おはよう〜」
奈々ちゃんに挨拶すると、彼女はまた
この前とは別の雑誌を熱心に見ている。
「おはようございます。
あっ、見ます?」
「それは…何?」
「明日、発売されるメンズ雑誌です!」
「…いや、いいわ。
私、今日は原稿もらいに行かないといけないの。」
そう奈々ちゃんの読んでいる雑誌に目をやれば
表紙には『現役高校生』との見出し。
…現役…高校生。
ただ、それだけに惹かれた。
「かっこいいなぁ。ヤマト君!とコタロウ君!」
いち早く、発売前に読めた雑誌に感極まってか
奈々ちゃんは聞きなれていないモデルの名前を
連呼している。
「…そう言えば…神崎飛鳥…知ってる?」
隣の目をキラキラとさせている彼女に
何気なくその質問を投げてみた。
彼女は不思議そうに私の顔を見ている。
「…先輩?…知らない方がおかしいですよ?」
何言ってるんですか…とでも言うような目で私を見る。
「…読者モデルでしょ?」
「…あぁ…先輩この前の雑誌見てましたもんね。
そのうち専属モデルになるはずですよ〜。」
…なるつもりはないと…飛鳥君は言っていたけれど
そんな人気だとは思いもしなかった。