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遅すぎた恋
第3章 高校生の頃の恋愛って…
この前の借りた雑誌を引き出しから出さすと
横から奈々ちゃんに手を伸ばし、
パラパラと神崎飛鳥のページを開く。
…気付かなかった。
この雑誌に居たなんて。
そこには、眩しいほどの笑顔で
ラフな格好で笑っている彼がいた。
制服姿も載っている。
私の知っている彼のようで…
まるで遠い彼の姿。
「……飛鳥君…」
質問項目を読んでいけば…
彼女は?と質問にいます♡と答えている。
好きなタイプも守りたくなるような年下の女の子だそうで。
読んでいけば行くほど…溜息が溢れる。
「どうしたんですか?先輩?
飛鳥君に興味が?」
「…えっ?そんなわけないでしょ。
…じゃ、私は出掛けてくるから。」
そう言うと私は鞄を取り、外へと出かけた。
ジリジリとアスファルトの照り返しで
汗が流れてくる。
周りのサラリーマンももう、クールビズのようだ。
日傘をさす女性もチラホラと見る。
…高校生なんて一人もいない。
この風景が…私の生きる場所。