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遅すぎた恋
第3章 高校生の頃の恋愛って…
「先輩…それで新しい恋をしてるんですね?」
「ん。…告白されたのよ。」
「いいじゃないですか!!
羨ましい!!」
「…それが…歳下でね。」
名前も歳も言えなかったけれど、
奈々ちゃんは私の話を親切に聞いてくれた。
それだけで、楽になった。
「歳下でも好きなら良いんじゃないですか?!
私なら気にしないな。
さすがに私の歳で歳下となると高校生ですから
恋愛なんてないんですけどねー!!!」
ニコニコと笑顔でハンバーグを頬張る奈々ちゃん。
…私の恋愛してる相手…高校生なんですけどね。
そう心で呟きながら…私もハンバーグを頬張った。
会社に戻ってからも、ポチポチと
いつもの半分ほどのスピードでパソコンのキーを押す。
身につかないとはこの事だ。
遼太と別れた時でさえこんな事はなかったのに…
気分転換にロビーに出ると、自動販売機の前に
悠人が立っていた。
「おう。お疲れ。」
ポンっと私に微糖の缶コーヒーを投げる。
「うわっ。…あっ。ありがとう。」
「新しい相手…見つかったみたいで。」
「何でそれ!」
「お前見てればわかるよ。
…遼太と付き合いだした時も
心ここに在らずだっただろ。」
「…そうだった?…忘れたわよ。」
悠人はフッと小さく笑うと、私の肩を
ポンっと一度叩くとオフィスへと帰っていった。