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遅すぎた恋
第3章 高校生の頃の恋愛って…
「…ねぇ、俺の事…好きでしょ?」
目を細め優しく微笑む目の前のこの人。
…好きよ。…大好き。
出会ってまだ間もない、10歳も年下のあなたに
私は恐ろしいほど恋をしている。
「…私は…」
パチパチと油が温まった音がする。
「…桜さん。無理しなくていいよ。ごめんね。」
私の鼻の先をちょんと触ると、
「うわー。やべ。」も急いでエビに衣をつける飛鳥君。
好き。その一言が言えないなんて…
「出来たよー。」
美味しそうなエビフライを持って
私の座るテーブルまで運んでくれる。
「いただきます。」
サクっといい音がして甘いエビの味が広がる。
「んー。美味しい。」
隣の飛鳥君を見ると、私をじっと見つめている。
その視線に恥ずかしくなって、すぐに顔を背けた。
当の本人は気にもとめず、エビフライを
サクサクも食べている。
…調子が狂うと言うのはこういう事を言うのだろう。
「ねぇ、桜さん。彼氏来ないの?」
唐突な質問につい、まだ噛み砕けていない
エビフライを飲み込んでしまった。