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遅すぎた恋
第3章 高校生の頃の恋愛って…
「ゴホッ…ゴホッ…」
「うわっ…ごめん!」
背中を優しく叩くその手にさえ
今の私は…おかしくなってしまう。
大丈夫との意味を込めて、片手を挙げると
彼の手が離れていった。
熱を帯びたその背中が急に冷たくなる。
「…ゴホッっ…何だったけ…?」
「いや…彼氏さん…ここの部屋来ないのかなって…」
あぁ、男っ気がないからね。
それは…彼氏なんていないし、遼太の物も…
捨てたもの。
あるわけないわ、そんなもの。
「えっ…あぁ、彼の家に行く事が多いから…」
そう言葉を濁すと、飛鳥君は
あぁ、そうかと苦笑した。
気まずい雰囲気が流れる。
「飛鳥君は…?その、前の彼女と連絡とか…」
「ん?あぁ。あれから取ってないよ。」
「…ならモデルの子とかは?
連絡とか取るんじゃないの?」
至って普通に…あなたになんて
興味はないのだと思わせるように…
「…何で?」
けれど、飛鳥君の顔は
怒っているように思える。
「…飛鳥君…モテるだろうから…
ほら…今日の相手のモデルさんとか…」
「…見てたの?」
「…偶然…」
もう彼の顔は見れなかった。
いつもと違う怒りをまとった声に
怒っているという事が痛いほどわかっているから。