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遅すぎた恋
第3章 高校生の頃の恋愛って…
「俺…別に興味ないから。」
「…ゴメン…変な事聞いて」
「良いよ…あんまり俺がモデルしてるのは
見ないで。…一人の男でいたいんだ。」
私の目の前の彼は…一人の男の子。
感じた距離感も…知らない人なのではという不安も
彼に会ってからは何一つ…感じなかったのに…。
「飛鳥君…実はね…私っ…」
それを言いかけた時…
飛鳥君の携帯が鳴り出した。
「あっ…」
「いいよ。出て?」
ディスプレイに目をやると、腰を上げ
聞こえないように外へと出て行った。
その行動に…単純に女なんだと感じた。
5分ほどして戻ってきた飛鳥君は
申し訳なさそうに…
「桜さん…ごめん。友達から誘われて行かなきゃ。」と笑った。
その笑顔がいつもの屈託のない笑みではなく
寂しさが滲み出ていた。
「そうなんだ…またね。」
玄関まで見送ろうと一緒に行くと、
玄関の扉の前で飛鳥君がふと振り返る。
「ねぇ、桜さん。二時間したら帰ってくるから…またここに戻ってきてもいい?」
「いいけど…どうしたの?」
クシャッと顔を歪め切なそうに微笑む飛鳥君。
「ギュッてしたい。…ダメ?」