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遅すぎた恋
第1章 失恋を癒すのは…
「遼太…」
少し向こうの方に…
一つの傘に2人が入って、俗に言う相合傘。
女の子は嬉しそうに腕に手を回している。
昨日の今日だ。
そんな事…あるわけないのに。
別れる理由一つ、聞かなかったし…言ってくれなかった。
別れる理由は…これだったの…
「ははっ…なんだ……なんだ…もうっ…」
悔しくて涙が溢れてくる。
この3年…本当に何だったの…
悠人の言う通りかもしれない。
私は人目も憚らず、その場で蹲った。
雨はどんどん酷くなり、
軒下にいても垂れてくる雫で足元が濡れていく。
どうでもいい。もう。
そう思っていた時…
足に跳ねていた雨がピタッと止んだ。
私のところだけ暗くなり…
少し目線を上げると誰かの足が見えた。
まだ、雨はザーザーとものすご勢いで降っているのに…
私には何一つ当たらない。