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遅すぎた恋
第4章 思えば思うほど…
「彼氏が居てもいいよ。
…俺…二番目でもいい。
いつか絶対1番になるから!
…桜さん…俺…どうしよう…
どうしたらいい?
めちゃくちゃココが痛いんだよ。」
飛鳥君が掴んだのは自分の胸。
ぎゅっと服を掴み、力を込める。
恋を知らない…高校生なのだろうか…。
私はそっとその手を掴んだ。
彼の大きな瞳が一段と大きくなる。
「飛鳥君。私…28歳よ?」
「知ってるよ?」
「おばさんだよ?」
「違うよ?」
「ほかにも可愛い子たくさんいるでしょ?」
「…俺の中では桜さんだけだよ?」
彼は私を否定なんてしない。
そんな事、わかっていたのに…
飛鳥君の笑う顔が、眩しくて…
綺麗で…
私ではダメなんだと思っていた。
「私…飛鳥君が…好き…」
小さな声でそう呟くと…
飛鳥君の顔が見る見る赤く染まっていく。
「なっ…さ、さくら…さん?
今…なんて言った…?」
「好きだって言った。」
飛鳥君はその場にしゃがみ込み
うわー!とかあー!とか叫んでいる。
そして、しゃがんだまま私の手をそっと握った。