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遅すぎた恋
第4章 思えば思うほど…
「飛鳥…ねぇちゃんなんていたっけ?」
…ねぇちゃんね…まぁ、そうなりますよね。
私が小さく笑うと、飛鳥君は
面白くなさそうに彼らを見た。
「おい。純…俺、姉貴なんていないよ?
つーか…俺の彼女なんだけど。」
「えっ… はっ?…ゴメン…飛鳥…」
その子は私にもすいませんと謝った。
「いいよ。年上だからそう見られても仕方ないから…」
そう言ってあげても、純という子は
まだ焦っている。
「気にしないで…ねぇ、あっちで一緒に座る?」
「えっ?良いんですか!?」
「えっ?、ちょ…桜さん?」
結局四人で座る羽目になると
飛鳥君はもっと不機嫌になってしまった。
「ねぇ、飛鳥君怒らないでよ。
私のアップルパイもあげるから!」
「俺、ガキじゃないし!」
「桜さん、綺麗ですね!
飛鳥、良いなぁ。
受験生のくせに彼女かよ〜」
「うるせぇーよ。桜さんとか言うな。
あっち行けよー!」
不機嫌飛鳥は面白いので、
私は見て見ぬ振りで二人と話を進める。
「受験だもんね。…皆は、進路は決まったの?」
「俺は進学で、小西は就職ですね!
あっ。飛鳥はもう決まってますよ!」
…初耳。
進路決まってたんだ。
「飛鳥君は…進路何?」
そう聞いても飛鳥君は
そっぽを向いたままだった。