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遅すぎた恋
第4章 思えば思うほど…
「…飛鳥君、進路のことは…
怒ってないから。
少し、驚いただけで…」
「ん…ゴメン。」
「桜さん、俺んちこない?」
「…いいよ?夕飯作る?」
「うん。俺が作る」
いつもの優しい表情で私を見下ろす。
制服姿の彼とスーパーに行くと、
やっぱり姉と弟…そう見えてしまう。
家に着くと、やっぱり私は座って…
飛鳥君が入れてくれたブラックコーヒーを飲む。
包丁の音が響く中…
真っさらなコルクボードがやっぱり目に入る。
飛鳥君がリビングに戻ってきて、隣へと腰を下ろす。
「後は煮えるのを待つだけ。
今日は簡単にシチューだよ!」
私に甘えるように肩に頭を乗せる。
「桜さん…好き。」
飛鳥君の髪を撫でると、
フフッと小さく声が聞こえた。
飛鳥君の頭が肩から離れ、
私の頬に手が添えられた。
そっと近づく顔に私も…ゆっくりと目を瞑る。
わずかに触れた唇がとても温かい。