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遅すぎた恋
第1章 失恋を癒すのは…
彼が着ていたコートはまだ温かく
冷めた体をすぐに温めてくれる。
傘を差し、コートを羽織り
私は家へと帰り着いた。
コートは結構濡れていて…
洗濯もできそうにないため
ハンガーにかけ乾かす事にした。
…クリーニング、明日で良いよね…
てか、これどうやって返そう…
毎日持ち運ぶわけにもいかないしな…
自分の着替えを終えると、
そのままベットに倒れこんだ。
天井を見つめていると、不意に眼に浮かぶのは…
遼太とあの女性。
静かに私の頬を涙が一筋伝った。
…3年経って愛情が全くなかった訳ではない…
むしろ、私は好きなままだった…
なのに…
『お姉さん…』
ふと思い出した、あの優しい声色。
ハンガーにかけてあるコートを見つめ
少しだけ…楽になった。
…まだ私に優しくしてくれる男性がいるじゃない…
そんな苦し紛れのプラス思考でだった。