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Toy Girl
第2章 Lesson2
家事が終わり、時間ができると嫌でも考えてしまう。
それはもちろんトイガールの事だ。
私には確かにお金が必要だけどこんな風俗まがいなことをするつもりはない。
悶々と考えていたら「逃げてしまおう」という考えが浮かんだ。
時計を見ると11時だった。
・・・逃げてしまおう。
こんなのおかしい、健全なお金の稼ぎ方じゃない。
思い立ってダイニングチェアーから立ち上がった時携帯の着信が鳴った。
ディスプレイを見ると妹からだった。
「もしもし・・・」
『もしもしお姉ちゃん!?』
泣きそうな妹の声に嫌な予感がする。
「どうしたの!?」
『お母さんが・・・お母さんが・・・』
パニック状態の妹をなだめながらどうにか話を聞くと私は絶句した。
「早く来て・・・」
泣き崩れる妹との電話を切ると着の身着のまま寮を出て走り出した。
・・・母が手首を切た。
発見が早かったから一命は取りとめ今は病院に居るらしい。
その理由は考えずとも分かった。
お金だ・・・
「お母さん!」
病院に駆けつけると教えられた母の部屋が騒がしかった。
「離して!」
「お母さん!!」
「死なせて!!」
泣き叫ぶ母とそれを止める妹弟と看護師さん。
それは正に地獄絵図のようだった。
「お母さん!」
「明日花・・・死なせて・・・!私が死ねば・・・死ねば・・・」
「お母さん・・・」
「死なせて!!」
――――命を与えてくれた母にそう泣き縋られた時、私の中の何かが音を立て崩れていく。
優しく穏やかだった母、料理上手だった母、父と仲が良かった母・・・
父が事業に失敗するまで私たちは何不自由なく幸せだった。
それがどうして・・・
母を抱きしめ声も出せずに私も泣いた。
一回り小さくなった母の体が悲しかった。
全てはお金だ・・・
お金があれば母はこんな風にならなかった。
妹弟もこんな思いさせずに済んだ。
私だって将来に制限をかけなかったし、何よりこんな仕事につかなかった。
それはもちろんトイガールの事だ。
私には確かにお金が必要だけどこんな風俗まがいなことをするつもりはない。
悶々と考えていたら「逃げてしまおう」という考えが浮かんだ。
時計を見ると11時だった。
・・・逃げてしまおう。
こんなのおかしい、健全なお金の稼ぎ方じゃない。
思い立ってダイニングチェアーから立ち上がった時携帯の着信が鳴った。
ディスプレイを見ると妹からだった。
「もしもし・・・」
『もしもしお姉ちゃん!?』
泣きそうな妹の声に嫌な予感がする。
「どうしたの!?」
『お母さんが・・・お母さんが・・・』
パニック状態の妹をなだめながらどうにか話を聞くと私は絶句した。
「早く来て・・・」
泣き崩れる妹との電話を切ると着の身着のまま寮を出て走り出した。
・・・母が手首を切た。
発見が早かったから一命は取りとめ今は病院に居るらしい。
その理由は考えずとも分かった。
お金だ・・・
「お母さん!」
病院に駆けつけると教えられた母の部屋が騒がしかった。
「離して!」
「お母さん!!」
「死なせて!!」
泣き叫ぶ母とそれを止める妹弟と看護師さん。
それは正に地獄絵図のようだった。
「お母さん!」
「明日花・・・死なせて・・・!私が死ねば・・・死ねば・・・」
「お母さん・・・」
「死なせて!!」
――――命を与えてくれた母にそう泣き縋られた時、私の中の何かが音を立て崩れていく。
優しく穏やかだった母、料理上手だった母、父と仲が良かった母・・・
父が事業に失敗するまで私たちは何不自由なく幸せだった。
それがどうして・・・
母を抱きしめ声も出せずに私も泣いた。
一回り小さくなった母の体が悲しかった。
全てはお金だ・・・
お金があれば母はこんな風にならなかった。
妹弟もこんな思いさせずに済んだ。
私だって将来に制限をかけなかったし、何よりこんな仕事につかなかった。