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Toy Girl
第1章 Lesson1
「今短大の二年生なのね?」
「はい」
「少し若すぎる気がするけど彼らの年から考えたら妥当か・・・」
独り言のように呟いて矢木さんはまた履歴書に目を落とす。
彼ら・・・
寮生の事だろうか。
寮に住んでるくらいだから私と同年代なのだろうか。
そんなことをぼんやりと考えていたら矢木さんが履歴書から顔を上げ、私に名刺を差し出した。
「申し遅れましたがスタープロダクションの矢木です」
「・・・・・・・・・」
スタープロダクション・・・
プロダクション?
学生寮だとばかり思っていたから拍子抜けしてしまった。
それにしてもプロダクションって・・・
「鳩が豆鉄砲食らったような顔ね。余り芸能界に興味ない?」
「芸能界・・・?」
どんどん予想外のワードが出てきて脳が情報を処理し切れない。
「松下葵は知ってる?」
それは今、一番人気のある若手俳優さんで。
知ってるから頷くと八木さんは初めて口角を上げる。
「彼はうちの事務所のタレントなの」