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覚性
第3章 徘徊〜澄子、小帆里〜
少女は澄子から向かって道の右側を歩いている 澄子は反対側を歩いて行った 道は○○富士公園に隣接しており、少女の歩く向こう側には富士山の形をした展望台が見える すれ違う時に、澄子は少女の横顔を確認する事ができた 何年か前、有名なアニメ映画の主題歌を歌い話題になった子役に似ていた その子役をもう少し大人っぽくした感じだった 肌の色は白く黒目の大きな可愛い顔をしていた 細く長い手足をしており、身長は澄子より少し低いくらいだった 長い髪を二つに分け、後ろで二つに結んでいる 大きなフリルの付いた白いワンピースがよく似合っていた 

しかし、やはり様子がおかしい 肩から提げた鞄を体の前に両手で持ち、俯きながらゆっくり歩いている 気分でも悪いのだろうか 表情も険しいように見えた

少女とすれ違った後、澄子は立ち止まり、少女の後姿を眺めた 膝を伸ばし足を引き摺るように歩いていた トイレでも我慢しているのだろうか

そう思った時、澄子は少女に誘われる様に歩いた 何か惹かれる要素があった 少女は○○富士公園に入っていく 澄子は一定の距離を保ったまま歩いた 少し遅れて澄子も公園に入る 

公園内には公衆便所があった しかし、少女は公衆便所ではなく、富士山の形をした展望台を目指して坂道を登り始めた 澄子も後に付いて行く 拙い尾行だった 澄子は歩調を少女に合わせて歩くだけだった 少女と澄子の間には遮る物は何もなく、少女が振り返ればいつでも澄子に気づくことができた ただ一向に少女は気付く気配もない

少女の後ろ姿は美しかった しかし、何か異様な気配を湛えている 何かに集中しているような、静かな力強さを感じさせる 澄子は本来の目的を忘れ、少女の動向に強い好奇心をもってしまった 澄子の記憶によると、この展望台には特に何も無かった ただ新宿や富士山など、360度の景観で見える物を案内する石碑があり、椅子代わりに座ることが出来るくらいだった  

やがて山の中腹まで登って来た 澄子は下を見渡すと公園内には相変わらず二人以外はいないようだった 高いところに登っている為か 風を感じ始めた 少女に目を戻すと、体の前に持って来ていた鞄をいつの間にか腰の横にスライドさせていた ショルダーバッグとは本来こういう風に肩から斜めに提げて、体の横に鞄が来る筈だった 何か大事な物でも入っているのか 澄子は思った
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