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覚性
第4章 逢着~澄子と小帆里
ここで小帆里はこの乱入者の顔を初めて見ることが出来た 小帆里を後ろから抱きかかえながら覗き込むその顔は、幼い顔立ちだが高校の制服を着ているようだった 顔の下に垂れ下がる深緑色の大きなスカーフリボンが、その顔立ちを大人びて見せていた 小帆里も知っている進学校の制服のようだった 大きな目にしっかりとした眉をしており、以前テレビ番組で特集を組まれていた、北陸訛りのある女子重量上げの選手に似ていた ふっくらとした頬が全身の肉付きの良さを物語っている 

小帆里は間近に見えるその顔に魅力を感じずにはいられなかった 大らかな微笑みを湛え、目尻の下には特徴的な笑窪が浮き出ている まるで猫があくびをしたように可愛らしい表情だった その目には好奇の色が浮かんでいた 小帆里はその好奇の眼差しが自分に向けられているのだという事に気づいた 一瞬、女性の可愛らしさに見とれていたが、すぐに自分が置かれている状況を思い出す 小帆里は野小便をしてそれをこの女性に見られている そのことを問い質されている 股を大きく開き、押さえつけられ、野小便した理由を追及されているはずだった

しかし、その女性の表情は先ほどまでの厳しい口調に反して、柔和で優しい笑顔になっていた 小帆里は何か少し焦っていた心が落ち着くのを感じた 女性の口が開いた


「そういうワケがあったんだね」女性は小帆里に同情を示すように眉を寄せた 微笑みに薄い憂いがが浮かぶ 優しい声で女性は続けた 「それ、わたし、治す方法、知ってるよ」

それは小帆里にとって突然の言葉だった この症状には処方があった この女性はそれを知っているらしい 自分だけに起きている事ではなかったのかもしれない (もしかしこの人も…) 小帆里はそう思った 胸が少しかき乱されるような感覚があった 自分より年上の女性でもペニスが固く大きく膨らんで困る事があると想像すると、それを見たいような気持ちになった 性的な好奇心だった 

「…も?ですか」小帆里が何かを澄子に訊いた 澄子には聞き取れなかった「え?なあに?」
そう聞き返し、澄子は眉をしかめながら耳を小帆里に近づける 小帆里の顔が更に赤くなっているのが分かる 恥ずかしそうに伏せられた瞳が潤んでいる 

「お…ねえさんもコレ、なったり、する…しますか?」恥ずかしそうにしながらも、訊きたいという気持ちが表れた声だった 


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