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覚性
第5章 想望
澄子は東屋まで戻り、しばらく座っていた 仲の良さそうな外国人学校の2人、その間に淫らな変質者として割って入った事は、澄子に大きな興奮と充実をもたらした 2人のやや大人びた反応は、澄子にとって刺激的だった 日本人の表情の動かしとは違う、冷淡な態度の仲にも感情表現の豊かさを感じ取る事が出来た 澄子を嘲笑する2人の顔を思い出し充実感を胸に抱きながら、股間のペニスが熱狂的に刺激を求めているのを感じた 固く勃起し、生き物が息づくように鼓動している 澄子はもはや、自分が何故自慰をしないのか疑問に思う程、性欲が高まっていた 自慰をすれば、今まで体験した事のない快感が保証されている しかし、澄子は何度も小帆里の顔を思い出し、股間に手を伸ばす事を留めるのだった

両脚は小さく震えていた まだ大きな興奮に体の表面が薄く包まれている 視界が黄色がかって見える 性欲旺盛な年頃の女の子だった 頭の中を強い性欲に基づいた命令が木霊する 澄子の精神力がそれらを全て捻じ伏せる それを可能にするのもまた性欲だった 現在の射精の快感の誘惑を、将来の射精の快感が上回るだろうという願望で押さえつける 小帆里の快感に惚けた幼い表情が思い出された 連絡が来るかどうかも分からない 焦れったい その感情が更に澄子の気持ちを昂らせていた 肩で息をする

少し離れた場所で音がした 1人の女性がベビーカーを押しているのが見えた こちらに向かってくる 公園の芝生の脇を石畳で舗装された道が、澄子の休んでいる東屋まで伸びていた 石畳の上をベビーカーのゴムでコーティングされた車輪が静かな音を立てて進む 外国人の母子だった

女性は30歳前後に見えた 短く肩の上辺りで揃えた、白に近い落ち着いた金髪を頭の中央で分け、秀でた額を出している 黒い半袖のシャツに白いハーフパンツを合わせ、茶色いサンダルを履いている ベビーカーには小さな赤ん坊が乗っていた 空中を見上げながら、手足を不規則に動かしている

東屋の手前で石畳の舗装が途切れており、段差があった 赤ん坊に衝撃を与えないように、女性は注意深くベビーカーを押し、段差を乗り越えさせようとしていた 女性が顔をしかめて力を入れる

「May I help you?(手伝いましょうか?)」
澄子は駆け寄り、ベビーカーの下に手を入れ、ゆっくりベビーカーを持ち上げた




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