この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
秘蜜に濡れて
第2章 夢見たいつか。
屋根のある石造りの建物へと彼女の手を取って移動し、作り付けのベンチに座らせた。
人前で歌うのは最後かもしれない。
彼女はただ聞き入ってくれた。
「綺麗…素敵な声ですね、とっても心に響いてきました」
「上手いだけなら…五万といるけどね」
愚痴が漏れる。
「あなたがどんな人なのか私には見えます、明日への勇気をくれる歌を歌える人です」
「勇気を?」
「私に歌ってくれた様に、沢山の人に届く歌を歌ってください」
言い切った彼女はゆっくりと立ち上がった。
「もっと聴きたいけど…本当に戻らないと、明日頑張れる気がします、ありがとうございました」
白杖の音が規則正しく響く。
「頑張れ!!」
「頑張って!!」
ふふっと笑った彼女の横顔を忘れるはずもない。
その後、そのオーディションに来ていた別のプロデューサーの目に止まりデビューが決まった。
その彼女が昨夜目の前に現れた。
しっかりと目を開いて、視線を交わせる様になって。
人前で歌うのは最後かもしれない。
彼女はただ聞き入ってくれた。
「綺麗…素敵な声ですね、とっても心に響いてきました」
「上手いだけなら…五万といるけどね」
愚痴が漏れる。
「あなたがどんな人なのか私には見えます、明日への勇気をくれる歌を歌える人です」
「勇気を?」
「私に歌ってくれた様に、沢山の人に届く歌を歌ってください」
言い切った彼女はゆっくりと立ち上がった。
「もっと聴きたいけど…本当に戻らないと、明日頑張れる気がします、ありがとうございました」
白杖の音が規則正しく響く。
「頑張れ!!」
「頑張って!!」
ふふっと笑った彼女の横顔を忘れるはずもない。
その後、そのオーディションに来ていた別のプロデューサーの目に止まりデビューが決まった。
その彼女が昨夜目の前に現れた。
しっかりと目を開いて、視線を交わせる様になって。