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秘蜜に濡れて
第13章 刹那の代償
「あ、いり…っ!!」

あいりが腰を浮かした。

締め付けながらも抜けていく撥春の雄々しいそれ。

内壁は逃すまいと絡みついてくる。

背中を這い上がってくる快感の波。

入り口まで引き抜かれると、あいりは少し前屈みになりながら再び腰を沈めた。

陰幹が花芽を擦りながら、中へと埋まってゆく。

「っう、はっ…あいり…っく…」

強くなぞられているようなそれは蜜を纏い滑るように抉り付けられていく。

「…撥春、すき…」

呼び捨てにされた名前に、撥春の目が大きく開いた。

「…すき…」

「俺も、好きだよ、あいり」

くしゃっと破顔した撥春に、あいりも微笑みを浮かべた。

ぐちゅっと音を立てて再奥へ到達すると、もう腰は勝手に悦楽を求めて律動した。

「あぁん!あっ…は…ん…んあぁっ、ぁあん!」

「あ、いり…っは…い、く…あ……り…っくよ…っ!」

答える代わりにあいりの中がきゅうっと撥春を締め付けた。

撥春は、それに応えるように一番深いところで精を吐き出した。

びくびくと深いところで弾けるそれに感じて、あいりは意識を手離した。
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