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秘蜜に濡れて
第14章 Key to the cage
「この前って…?」

撥春が尋ねる。

「偶然会ってね、立ち話を」

嘉紀はさらりと躱す。

「いい機会だから、連絡先を教えて欲しい、伊坂、いいか?」

「え?はい」

「なら、俺も!」

嘉紀に便乗して、竜も、将人も…とメンバー全員と交換し、里美も加わると怜二は面白くなさそうにそっぽを向いた。

「撥春、あんま束縛してGPSとか止めろよ?」

「こんなとこまで攫ってきちゃうぐらいだから、分かんねーよな」

「しません!…多分」

将人や啓介にからかわれて撥春はムキになって…緩く否定した。

「あいりちゃん、何時でも電話して?愚痴なら聞くから」

兄貴風を吹かせる浩一郎にあいりは笑顔を浮かべた。

「あいりちゃん、撥さんから聞いて…ないと思うけど、ファイナル前のオフで僕と二人でニューヨーク行くんだ!撥さんが悪さしないように、僕がちゃんと見張っておくからね」

にこっと無邪気な笑顔を向ける司。

昨夜、撥春はその話をしに帰って来たのかもしれない。

でもあの情事に溺れて…あいりは思い出して耳を赤らめた。

それに気付いたのは…竜だけだった。


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