この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
秘蜜に濡れて
第2章 夢見たいつか。
怪訝な顔をする圭吾に返す答えなんてない。

「じゃあラストお願いしまーす」

最後は未来のドアを開けて、腕時計がアップになるシーンだった。

「腕時計が見えるようにこの角度で手を伸ばして下さい」

細かいチェックが入って本番が始まるまさにその時だった。

息を切らしたあいりがドアを開けて圭吾に駆け寄った。

そして圭吾がこちらを指差し、視線が合う。

この気持ちは勘違いなんかじゃない。

手に入れたい。

自然にそっちへと手を伸ばす。

「カットー!一回確認します」

カメラの前に全員で集まる。

あいりは圭吾と談笑したままだ。

「はい、オッケーです、これで撮影は全て終了となります」

あいりを探す撥春。

圭吾に手を振って出て行く後ろ姿に、撥春は手渡されたタオルを健一に放り投げて走り出していた。

これを逃したらもう会えない気がした。

もっと聴きたいと言ってくれたから、諦めなかった。

諦めなかったから扉が開いた。

あの日から胸にあって消えなかった笑顔がどうしてなのか、やっとその理由が解った。

いつかもう一度君に会えるその時に夢を叶えた自分で向き合いたかったから。

そのいつかは、あのパーティで。

この想いは、君が好きだという事で。

「待って!」

閉じかけたエレベーターに手を掛けた。
/257ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ