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秘蜜に濡れて
第14章 Key to the cage
別の写真も拾うと、そこには雪夜と会社のロビーで話しているあいり。

「何、これ…」

拾った写真はどれもあいりが写っていた。

撥春も写真を拾い集め、眺めている。

「思い当たる節は…?」

「…いや…望遠で撮ってるな…岩崎さんに圭吾に…男とばっかりを厳選して送ってきてるっぽいな」

冷静な撥春に、竜は何も言わず家を出た。


ベッドの上、乱れたシーツを掻き抱いて撥春は髪に鼻先を埋めた。

「あいり、お土産何がいい?」

「ニューヨークかぁ…何でもいいですよ」

「ごめんね、二人でも行ったことないのに…」

「私仕事ですもん、羽根伸ばして来てくださいね」

「メールする、電話も…」

くるりと振り返るとあいりはにこりと笑って抱きついた。

「司さんが付いてますから」

「何それ?」

甘い釘を刺されて撥春はキスをした。

五日間の日程。

「撥さん、ちょっと寄っていい?」

司が入ったのは小さなジュエリーショップだった。

ネイティヴアメリカンのシルバーアクセが豊富に取り揃えてあった。

その隅にシンプルなリングが光っていた。

「指輪…か…」

何も…あいりに贈ったことが無いのを思い出す。

指輪の意味を考えると少し躊躇いが生まれた。
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