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秘蜜に濡れて
第15章 奈落の底
「どういう事だ?」

「…美紅です、撥春が手に入らないから…彼奴らにクスリを渡して、犯すつもりです…」

「今、橋口は?」

「…電話には出ました…悪びれた様子は無かった…」

寧ろ竜を引き込もうとすらしていた。

車は港近くの倉庫街に到着した。

「この辺りで反応が止まってる、これ以上は難しいな」

「降りて探します」

嘉紀が止めるより先に竜は車を降りると、走り出した。






倉庫の二階、パイプベッドには薄いマットレスが敷いてあり、そこにあいりは横たわっていた。

何処からか持ち寄られたテーブルや、椅子、破れたソファーが点在していた。

テーブルの上には酒瓶とショットグラス、灰皿はタバコの吸殻で山になっていた。

煙草の煙が明かりを曇らし、ビニール袋に入ったあの赤と青のクスリが無造作に置いてあった。

「これ、どんな感じになるか聞いてる?」

煙草を燻らすマサキ。

「即効性のあるのは赤、持続性なら青らしいぜ、何でも青は2つも飲めば、2、3日はヤリっぱなしになれる上に記憶も飛ばしてくれるってよ」

「まじかよ」

「かなりヤバいんじゃねーの?」

動揺を見せるのはノブタカ。

「とりあえず赤でいいだろ、男は今海外らしいし、ゆっくりヤろうや」

酒の入ったグラスを置くと舌舐めずりをして、ナオヤはあいりを跨いだ。

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