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秘蜜に濡れて
第15章 奈落の底
あいりの背けた瞳の端から涙が零れ落ちていく。

「おらっ、足開けっ!」

力任せにマサキが膝を割る。

「いやっ!いやあっ!!やめてっ!!」

何とか身体を捩り、腕で振り払おうと抵抗するあいり。

バシッ…

左頬を打たれた衝撃にあいりの動きが止まった。

「静かにしろっ!次暴れたら承知しねぇぞっ!」

凄まれたのと、頬の痛みにあいりはガタガタとふるえだす。

「ナオヤは恐ぇからなぁ、俺は優しくしてやるよ?」

下卑た囁きにあいりは目を瞑る。

「なーんか白けたわ」

ナオヤがあいりから降りると、二人は動揺した。

「おい、ナオヤ?」

「つまんねー」

ナオヤはそのまま冷蔵庫から酒の瓶を取り出すと一気に呷った。

「ヤらねーの?」

マサキが脹脛から太腿へと舌を這わす。

ナオヤは不敵な笑みを浮かべると、あの青のカプセルを手に取った。

あいりの肩を握って起こすとカプセルを口元に運んだ。

が、あいりはぎゅっと唇を閉ざす。

舌打ちをしてナオヤはあいりの鼻を摘んだ。

「…っはあっ!」

息苦しさに口を開けた瞬間カプセルが酒で流し込まれた。

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