この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
秘蜜に濡れて
第2章 夢見たいつか。
繋いだままの左手を後ろから見つめながら、あいりは早く頬を抓りたい思いに駆られていた。
非常階段の死角に入ると急に撥春の足が止まった。
振り返った撥春は真っ直ぐにあいりを見つめた。
真剣な眼差しにあいりは自分が赤面していると覚った。
「好きです」
あいりの心臓が跳ね上がる。
「でも、いつ…」
軽いめまいすら覚える告白に頭が混乱して言葉が出ない。
「君は知らないかもしれないけど、俺は君を知ってた、ずっと前から」
ずっと前から?
繋いだ手に少しだけ力が込められる。
あいりが口を開く前に、撥春が手を離した。
「戻らないと、また後でね」
重くドアが閉まる。
入って来たときは全く聞こえ無かったのに。
温もりを失った左手に右手を重ねて、そっと胸に当てた。
非常階段の死角に入ると急に撥春の足が止まった。
振り返った撥春は真っ直ぐにあいりを見つめた。
真剣な眼差しにあいりは自分が赤面していると覚った。
「好きです」
あいりの心臓が跳ね上がる。
「でも、いつ…」
軽いめまいすら覚える告白に頭が混乱して言葉が出ない。
「君は知らないかもしれないけど、俺は君を知ってた、ずっと前から」
ずっと前から?
繋いだ手に少しだけ力が込められる。
あいりが口を開く前に、撥春が手を離した。
「戻らないと、また後でね」
重くドアが閉まる。
入って来たときは全く聞こえ無かったのに。
温もりを失った左手に右手を重ねて、そっと胸に当てた。