この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
秘蜜に濡れて
第15章 奈落の底
鬱血した手首が痛々しい。
時折眉間に皺を寄せて苦悶の表情を浮かべる。
「もう…大丈夫だから…」
額に掛かる濡れた髪を払ってやると、竜は微笑む。
規則正しい寝息を確かめて部屋を出た。
「それで、彼奴らは?」
『警察沙汰にすると、彼女は証言台で晒し者だ、それは…避けたい、ただ社会的制裁は何も法律だけじゃないからな、それ相当の報復はする』
「…岩崎さんに任せます」
『彼女は?』
「鎮静剤を打ってもらって、今は眠ってます」
『そうか、撥春が戻るのは明後日だったな?』
「撥春には俺から連絡します」
『わかった、彼女の会社と家にはこちらから連絡しておく』
「はい、お願いします」
『竜…いや、いい…』
歯切れ悪いまま電話は切れた。
あいりが目を覚ました時にと竜は近くのコンビニで飲み物やスィーツを買い込んだ。
チャリチャリと鍵を掌で遊ばせて、鍵穴に差し込む。
開き掛けたドアから悲鳴の様な声が漏れた。
ばさっとコンビニ袋を落とすと、竜は寝室のドアを開けた。
「……っや、あ…恐い…暗いの…ぃ、や…」
ベッドの脇で蹲るあいり。
「あいり!もう大丈夫だ!大丈夫だから!」
竜はあいりを抱き締めながら、サイドテーブルの間接照明を点けた。
時折眉間に皺を寄せて苦悶の表情を浮かべる。
「もう…大丈夫だから…」
額に掛かる濡れた髪を払ってやると、竜は微笑む。
規則正しい寝息を確かめて部屋を出た。
「それで、彼奴らは?」
『警察沙汰にすると、彼女は証言台で晒し者だ、それは…避けたい、ただ社会的制裁は何も法律だけじゃないからな、それ相当の報復はする』
「…岩崎さんに任せます」
『彼女は?』
「鎮静剤を打ってもらって、今は眠ってます」
『そうか、撥春が戻るのは明後日だったな?』
「撥春には俺から連絡します」
『わかった、彼女の会社と家にはこちらから連絡しておく』
「はい、お願いします」
『竜…いや、いい…』
歯切れ悪いまま電話は切れた。
あいりが目を覚ました時にと竜は近くのコンビニで飲み物やスィーツを買い込んだ。
チャリチャリと鍵を掌で遊ばせて、鍵穴に差し込む。
開き掛けたドアから悲鳴の様な声が漏れた。
ばさっとコンビニ袋を落とすと、竜は寝室のドアを開けた。
「……っや、あ…恐い…暗いの…ぃ、や…」
ベッドの脇で蹲るあいり。
「あいり!もう大丈夫だ!大丈夫だから!」
竜はあいりを抱き締めながら、サイドテーブルの間接照明を点けた。