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秘蜜に濡れて
第17章 if u are luv
気だるい身体を起こした竜は、隣で深く深く眠りに落ちているあいりを見つめた。

肌蹴ていたシャツのボタンを全て留め直すとシャワーを浴びにベッドを抜け出した。

リビングのローテーブルの上でスマホが震えていた。

画面に表示されたのは嘉紀。

「はい、竜です」

『彼女はその後どうだ?仕事は…』

「…もう…クスリは抜けたと思います…ただ今日はまだ…」

『そうか、明日まで休むように手配しておく』

「…はい」

『撥春には連絡したのか?』

「…これから、します」

嘉紀は一瞬黙りこくると、頼むと言って電話を切った。

竜はあいりの鞄を探り、スマホを取り出す。

画面には撥春からのメールと着信の文字。

竜は深いため息を一つ吐くと、スマホを握る手に力を込めた。







夕陽までもが沈み夜に包まれた頃、あいりのスマホが震えた。

着信は撥春。

竜はテーブルの上を小刻みに動き回るスマホをただ見つめていた。

一向に止む気配はなく、あいりが起きてくる気配もない。

随分経ってやっと鳴り止む。

竜は眉間に皺を寄せて、溜息をついた。

窓辺に立って気を紛らわすつもりが、窓ガラスに映る自分の表情に何故か苛立った。





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