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秘蜜に濡れて
第17章 if u are luv
「竜?」

浩一郎の存在を忘れて思いを巡らす。

「とにかく行かない、明日でオフも終わりなんだから、二人っきりにさせて」

「はーい」

浩一郎は引き下がり、啓介の家へと帰っていった。


「あれ?竜は?」

一人で帰ってきた浩一郎に啓介が尋ねる。

「女と二人っきりにさせて!だとー」

「え?竜が家に女連れ込んでたの?珍しー家には絶対入れないのに…うちのフロントマンは二人共ちゃっかりしてんね」

啓介がぐっと酒を呷った。

撥春はスマホをソファーに放ると、グラスに口を付けた。




カーテンを閉め忘れたのか、朝陽がダイレクトに瞼に射さる。

しょうがなく目を開くと、居るはずの場所にあいりが居なかった。

慌ててリビングへのドアを開く。

「おはようございます」

キッチンからあいりが手を拭きながら出てきた。

「…お、はよ…」

「あの…ご飯になりそうな物が全然なくて…いつも何食べてるんですか?」

慌てた自分に嘲笑ってしまう。

そんな竜にあいりは不思議そうに頭を傾けていた。

何とか無事だったスカートと、竜のカッターシャツを見に纏い竜の部屋を後にする。

「自分で帰れますから」

車のキーを手にした竜にそう告げた。



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