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秘蜜に濡れて
第20章 i miss u
車が走った先は谷垣の店だった。

「いらっしゃい!えっ、撥春?」

当然驚く谷垣に、撥春は飄々と二階の個室へと上がっていく。

お通しを済ませ、わざわざ谷垣自ら煮物を運んで来た。

「明日、本番だろ?いいのか?」

あいりを気にしながらも谷垣は尋ねる。

「だから、早めに来たんだけど?あ、このわさびサーロインと、湯葉の唐揚げ、ジャコと温野菜のサラダも」

谷垣はそれ以上詮索せず料理を振る舞った。

「美味しいっ!」

自然と笑顔になるあいりを満足そうに見つめる。

撥春は手招きして、自分の隣にあいりを座らせた。

「あーん」

撥春は箸で湯葉の唐揚げを一つ摘むとあいりの口に運ぶ。

どれもこれも、あいりが箸を使う事なく堪能していく。

「撥春さんは食べないんですか?」

「程々に食べてるよ」

脂身を避けて肉を口に運び、それ以上に野菜を口にする。

「あいり、服、気に入った?」

「はい、とっても」

「じゃあ、脱がせてもいい?」

「え…え?」

「あいり知らないの?男が女に服をプレゼントするのは、飾って脱がしてモノにする為なんだよ?」

「モノって…私はも、う…」

言うより先に撥春の手はストッキングをなぞり始めていた。




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