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秘蜜に濡れて
第23章 一雫の秘蜜
「おめでとう!!ってまだか」

「婚約って事だし、おめでとうだよな!」

メンバーから手痛い祝福を受ける撥春。

「で、あいりちゃんは?」

「仕事」

「結婚はいつになるって?」

「9が成功したら」

撥春の言葉に一瞬曇った表情、けれど直ぐに鋭い視線に変わった。

「じゃあ、始めますか!」

将人の合図で仕事へ向かった。

1日も早く、迎えに行く為に。





女子会では里美が泣きながらあいりに抱き付いて離れなかった。

「本当に良かったあ〜!」

「はいはい、里美、分かったから!」

ニコルが里美を引き剥がしに掛かる。

涙で綺麗なメイクもグチャグチャになっていた。

「でも、本当良かったね、伊坂さんに任せて正解だった」

「ねー!伊坂がここまであいりに嵌るとは思わなかった」

「え?」

「んー慣れてるからリハビリになって、他の人と付き合えたらなぁくらいに思ってた」

あいりは二人の思惑にぽかんと口を開けてしまう。

「ごめんごめん!でも、終わり良ければ全て良し!でしょ?」

腑に落ちない想いを抱えながら、あいりは撥春のマンションへと帰宅する。

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