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秘蜜に濡れて
第4章 time limit
指を絡めると、目の前のロータリーからタクシーに乗った。

撥春が行き先を告げて走り始めると、撥春はあいりをじっと見つめていた。

「な…んですか?」

「やっと会えたなと思って」

握った手に少しだけ力をこめる撥春。

頬を染めて目を逸らしたあいり。

「あんまり見ないで下さい」

「可愛いからしょうがない」

タクシーは30分ほど走り、大通りから一筋入った交差点で停まった。

「何処に行くんですか?」

意味深な笑みで歩くと一軒の店のドアを開けた。

「撥春!」

中は服屋さんで、店員がすぐ声を掛けてきた。

「お疲れ!友達なんだ、紹介するよ、ここの店長で俺の親友の真、真、俺の彼女で相馬 あいり」

「宜しく、あいりちゃん、お前が彼女をここに連れてくるとはなぁ」

真はにやにやしながらあいりと撥春を交互に見つめる。

「話すのは良いけど、触れるなよ」

釘を刺して撥春は服が並ぶ棚へと足を向けた。
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