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秘蜜に濡れて
第4章 time limit
涙まで浮かべながら転げ回った真。

「悪りぃ悪りぃ、マジなんだな!」

全く悪いと思っていない軽いセリフを吐きながら裏へ引っ込んだ真は、五分と経たず戻ってきた。

その手には紙袋が下がっている。

「はい、あいりちゃん、あげる」

「何でお前から?」

「シンプルなワンピースだから、会社のロッカーにでも入れておきなよ、こいつ、あんな仕事だから、いつもいきなりだろうし…明日も会社なのに、同じ服はマズイもんね」

あいりはその意味を理解して、頬を染めながら受け取った。

「また来てね!一人でも!」

ひらひらと手を振る真の店を後にして、またタクシーを捕まえた。

「ご飯食べようか」

頷くあいり。

タクシーは15分も走ると一軒の小料理屋の前で停まった。

「いらっしゃ…撥春!」

「二人、いい?」

「あぁ、いつものとこ空いてる!…って、その子?」

「相馬あいりさん、俺の彼女、です」

少し強調して、階段を上がった。


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