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秘蜜に濡れて
第6章 絡まる糸
「おはようございます」

事務所併設のジムのドアを開けると、既に啓介と浩一郎、怜二がランニングマシンで汗を流していた。

竜と司はウェイトトレーニング中、将人は正宗と予定を確認していた。

「1時からスタジオで雑誌の撮影だから」

健一に言われて頷く撥春。

「あと、金曜日のMスタ、ライブだからいつもより入りの時間早いから気をつけて」

「了解!…ライブって事はファンが入るの?」

「ああ」

「…それ、まだ枠ある?」

「ない!」

ぴしゃりと言い切られて撥春は肩を落とす。

スタジオの隅でもいい、ライブしている姿をあいりに見せたかった。

「柴崎社長も見にくるらしいから、気合い入れていけよ!」

正宗がスケジュール帳から目を離し、発破をかけた。

柴崎社長が来る。

だったら尚のことあいりを紹介したい。

撮影に移動した先のスタジオで、正宗と二人きりになる隙を伺った。

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