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秘蜜に濡れて
第1章 今宵、星が零れたら。
ブッフェスタイルの料理を見繕って、バーカウンターでお酒を頼んだ。

窓際のテーブルにお皿を置いて突きながら女三人で盛り上がる。

圭吾は入り口を入った迄は隣に居たが、いつの間にか人波に消えていた。

「あ、エレナ!来てたのー?」
「ユータじゃん」

里美もニコルも知り合いを見つけて各々談笑しながらその場を離れていった。

料理もお酒も美味しいけれど、あまりにキラキラしている此処はあいりにとっては別世界だった。

読みかけの本の続きを想像して腕時計を確認しようとして、左手首にそれが無いことに気付いて摩ってみた。

ふぅっと息を吐いた。

「退屈?」

咄嗟に顔を上げると其処には男の人が二人。

「あ、いえ、その…」

タイミングも悪ければ、濁った言葉に罰も悪い。

「圭吾と一緒に来た子だよね?初めまして、久我 将人です、こっちは西 啓介」

「初めまして」

見た目の厳つさに反して丁寧で柔らかな声色にあいりも会釈で応えた。


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