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きみに鎖を
第4章 ーーーー
レナ、ともう一度名を呼ばれる。珍しく...というか、初めてだろうか?その声には焦りが滲んでいるようだった。
(...どうせ、)
演技だったはずの涙が本物になり、それと同時にどこかやさぐれたような気持ちが湧き上がってきている。
どうせ、わたしはおもちゃでしかないのだ。契約したのに。なにも悪いことしてないのに。衣食住を提供するって言ったのに。わたしから選択肢を取り上げたのはあなたなのに、、、
目も合わさずホトホトと涙を流すレナに彼が何を思ったのか、彼女には分からなかった。ただ、ずっと彼女を戒めていた鎖は解かれ、玩具も外された。
「レナ...」
ここ数日酷使された腰、どころか全身が悲鳴を上げている。伺うようなユウトの声に反応もせず、しばらくへたり込んだあと無言で立ち上がった。そしてヨロヨロと身を清め、ご飯を食べる。
「ごちそうさまでした」
パチリ、箸を置く。そのささいな音に、後ろで控えていた執事の肩がピクリと揺れた。