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鍵の音
第1章 希望は鳴る
 しかし、薄汚れた黒い手は私の手を拒んだ。

「リエちゃん、服、着たら」

 静寂の中にチェリチャリ、相変わらず鍵の音が鳴っている。
 龍は四つん這いになり、ほこりだらけの床の上に散らばった私の衣服を1枚1枚かき集めていた。

「服着てる方が、興奮する?」

 団子状になった衣服を差し出した龍に、問いかけた。
 しかし龍は首を横に振った。

「早く、着なよ」
 
 チャリチャリ、チャリチャリ。
 耳障りな金属音が響く。
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