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鍵の音
第1章 希望は鳴る
 笑うのは、虚しいから。
 虚しくてたまらないから、笑う。とりあえず笑う。

 けれど、龍は笑っていない。
 黙って、私を見ている。

「笑ってくれていいよ。確かに俺は先輩の言いなりだし、みんなにバカにされてる。でもな、親がどーだからとか、育ちがとか、仲間がとか、社会に出たら誰も考慮してくれないよ。ただ、あいつバカだ、で終わり。俺はもう、嫌なんだ。親のせいにしてるのも、みんなのせいにしてるのも、自分が弱いとかヘタレだからとかで、逃げるのも」

 背中がドアの向こうに消える。
 チャリチャリ鍵を鳴らしながら。

「待ってよ」

 咄嗟に追いかけると、龍は玄関に脱ぎ散らかしたボロボロのスニーカーを穿いていた。

「帰んないでよ、まだ1時間、経ってないんでしょ」
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